うめちゃんからの手紙 2018 No.069 落地生根と大きな市場、そしてなおす事。

うめちゃんからの手紙 2018 No.069

春の風を楽しむ才女マリー。

うめちゃんからの手紙 2018 No.069

今日はとてもとても嬉しい事がありました。
アルバイト先の女将さんが鎌倉に住んでいるご友人の方に貸し出していたRancilioのSilviaというエスプレッソマシンと小型のMazzerのグラインダー、そしてアップトランスの一式が返却されてきました。
もともと女将さんがお得意様やお弟子さん達の練習用に貸し出していた機材です。
女将さんのご友人の方は鎌倉の予約制古民家レストランを経営されていて、業務用マシンを買う前の練習用として女将さんから長期間貸し出されていたものです。
現在はステップアップしてボイラーの大きい業務用の購入に踏み切られたそうです。
席数も少なく1日2組までの完全予約制レストランだったため大型のマシンは必要なかったそうですが、今後席数を増やす予定のためRancilioのSilviaでは力不足となってしまいったようです。
Silviaは非力がゆえにフォームミルクを上手に作るのが難しかったり、より正確に挽けるグラインダーが必要になったりと逆に使いこなすの難しいのだそうですが、足るを知るという事が学べ教材としてはいいマシンだと女将さんはおっしゃっていました。
(私の勤め先は、1に飲む人の好み、2に豆の質、3に創意工夫、4にマシンという考え方です。)

一通りメンテナンスと点検を終えた後に私に無期限で貸し出してくださる事になりました。
以前に一度個人輸入を考えた事があるマシンで、私のアルバイト代でも購入が可能な現実的な価格です。
はるちゃんも同じマシンの購入を考えていたそうですが、まだ踏みとどまっていて、千葉の方に行っているマシンが返却され次第はるちゃんも女将さんから借り予定だそうです。

女将さんが以前友人の方のために個人輸入しPIDコントローラーの設置などの改造を一通り施しているところを見た事があり、その時にこのマシンの魅力を教えていただいた事があります。
アメリカで最もコーヒーギークに愛された家庭用エスプレッソマシンとして知られていて、現在ではV5まで発売されています。
V3の在庫をまだ現役で扱っているお店もあるそうですし、Model MやModel E、V4、V5といろいろなモデルが多くややこしいのですが女将さんが輸入しているの主にModel MというものでV3〜V5まで全て扱った事があるそうです。(Version Mと表記されている場合もあります)
私が覚えている限りではボイラーを保温するためのインシュレーターの有無が一番わかりやすい見た目の違いでした。
Model Eをなぜ輸入していないかというと温度管理のためのコントロールボードがModel Mに比べ増えているため修理の際のコストが上がる事、加えて30分で自動的に電源が切れてしまい冬季は最高温度を維持できなくなるからだと女将さんはおっしゃっていました。
一番最初の頃は女将さんが自分で温度管理のためのPIDコントローラーを増設していたそうですが、最近はシアトルの業者が最初から組み込み済みのを海外にも発送してくれるようになりPIDの画面に表示される温度も華氏と摂氏がきちんと選択できるようになったそうです。
最近は300ドル程度払えば販売業者がPIDコントローラーの取り付けまですませてから発送してくれる場合もあり以前に比べとっつきやすくなっているようです。
全くノーマルのRancilio Silviaは700ドル前後で購入が可能で、温度管理のためのPIDコントローラーキットは150ドルから250ドル前後で売られています。
最近ではスマートフォンやパソコンと無線で接続して管理できるキットも登場しているようです。
ほぼ全てのパーツを一つから買う事ができ自分でもボイラーの交換などをしているユーザーもいるそうです。
アメリカでは大きなコミュニティーがあるためオンラインフォーラム上で今でも頻繁に情報がやりとりされているので修理のノウハウがものすごい大量に蓄積されているのだとか。
アメリカ人の自分で改造したり修理したりするスピリッツ、私もすごく好きです。
Assy交換等ではなく本当に事細かに自分で問題があるパーツ探し治す事ができるような環境があるため、本当に愛されていてユーザーの間ではMiss Silviaと呼ばれているそうです。

今回は女将さんからグラインダーもセットで貸していただけるという事でとても楽しみです。
はじめおじさんと何度もキッチンにエスプレッソマシンを置こうという話が上がっていたのですが、毎回どのモデルがいいか決断できず購入には至りませんでした。
Silviaは小型なためマルチタスクはできませんが、私がはじめおじさんとヒロシに入れるだけなので必要十分な機種でもあります。
エスプレッソマシーンのボイラーの性能などはもちろん大事なのですが、グラインダーの性能が実は一番大事だという意見もあります。
家庭で入れるエスプレッソとプロが入れたもので違いが出るのは豆の挽き具合の影響が多分にあるとも言われています。
女将さんから貸し出していただけるものはMazzerという会社のもので、一番小型のドサーの無いモデルです。(ドサーは挽いたを一時的にためておける部分の事です。)

つい話が長くなってしまいましたが今日は田中さんが家庭教師に来てくれる日でした。
今日も勉強を教えていただいた後マリーちゃんと田中さんはうちでご飯と食べて行きました。
マリーちゃんはフランスに住んでいた時期があるのでフランス語も話す事ができるのですが、はじめおじさんとフランス語で会話をしているところを本当に久しぶりに見た気がします。
マリーちゃんは耳がすごくいいのか日本語もフランス語も母国語の英語のように完璧に使いこなしているようです。
外国語学習の醍醐味は海外旅行や海外でのお買い物、異文化の人との交流などが挙げられると思うのですが、それ以外にも活用できる場が多々あると思いました。
今日の女将さんとのエスプレッソマシンの会話でもそうだったのですが、海外のユーザー達のオンラインフォーラムなどがものすごく充実していて、様々なものを自分で修理したり改造したりする文化が豊かなため膨大な情報量があるのだなと驚かされました。
英語圏のイギリス、アメリカ、カナダ、そしてコモンウェルスなど市場規模としてみれば大きいのでしょう、それらの国で使われているものであれば他国よりもユーザーが多く情報や技術、そしてスペアパーツの交換会などが盛んになるのもうなづけます。
Rancilio Silviaもイタリアの製品ですがアメリカを中心にニュージーランドやオーストラリアなどにも大量にユーザーがいるそうです。
カメラの世界では大量のクラシックカメラが中国などの中華圏に流れて行っているそうで、これからは中国などからクラシックカメラを買い修理に送る時代が当たり前になるかもしれませんね。
カメラを使ってお仕事をする人やそれを趣味としている人たちは中国語が必須になるかもしれません。
はじめおじさんも英語ができる事を活用して愛車の修理部品をアメリカの業者などから個人輸入しています。
多くの情報に触れる機会を作る事ができるのも外国語学習の醍醐味なのだなぁと思いました。

うめこ


今日の一枚

ローカルバス。

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

Shing02 + SPIN MASTER A-1 + Aoi – Luv (Sic.) Pt2 @ りんご音楽祭2015

Shing02 + SPIN MASTER A-1 + Aoi – Luv(sic) Part2 @ りんご音楽祭2015


今日の一冊

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