ヨガ教室帰りのうめちゃん。
うめちゃんからの手紙 2018 No.028
今朝ヨガ教室に行くとバイト先の常連客のギャル田中さんが体験レッスンに来ていました。
びっくりしました。
朝起きた時に昨夜想像したよりも天気が良かったので、急遽マリちゃんに電話を入れ今週もヨガ教室に行く事を決めたのです。
気が変わっていなければギャル田中さんに遭遇する事もなかったのだと思うと偶然って素敵だなぁ。
常連客の中でもひときわ変わっている方で私も大好きなお姉さんです。
ギャル田中さんは現役の東大生ですごく勉強が得意な方なのですが、自転車に乗る事ができず、さらに電車にも怖くて乗れないという理由から常に都バスとキックボード、もしくは徒歩だけで移動をされています。
田中さんは都バスマニアでいろいろな路線を完璧に熟知していて、田中さんの住んでいる文京区、千代田区、中央区、江東区、そして台東区で運行されているバスの時刻表は上下線ともに全て頭に入っているそうです。
田中さんは見た目も割と強烈で金髪で歯の矯正もシルバーの装置でしていて、そして分厚い瓶底メガネをいつもかけています。
田中さん的にもこのビジュアルにも理由があって、人は他人の欠点やコンプレックスに対し一定数以上は認知できないという自論があるそうで、わざとこの容姿で生活しているのだそうです。
田中さん独自のコンプレックスと自己のアイデンティティ確立法というのがあるそうで、それは紙に自分の事を客観的に書き出してみる事から始めるのだそうです。
田中さん自身が考えるコンプレックス
・遊びに誘っても電車に乗れないからいつも来ない
・猫背で根暗
・運動が苦手で鈍臭い
・喋り方が理屈っぽすぎてキモい
私が覚えているのはこの辺りです。
田中さん曰く、他人に田中さんをぱっと見た時に気になる事を書き出してもらうと…
・なぜ一年中キックボードを持っている
・ギャルっぽい容姿なのに瓶底メガネ
・金髪で矯正をしている女の子
この３つが他を圧倒してしまい他のコンプレックスから他人の注意が逸れるのだそうです。
そして他人が挙げるこの３つの田中さんの特徴は、田中さん自身がコントロール可能なキャラクター性であり、コンプレックスではなく全く気にならない事だそうです。
キャラクター性でコンプレックスを包む戦法だとか。
そして親しくなった人にキャラクターではない真理を見て貰えればいいのだそうです。
全て納得したわけではありませんが、なるほどと思いました。
私が田中さんに会った事がない方に田中さんの事を説明しようとした場合にも田中さんがおっしゃったように
・キックボードを持っていて私より５センチくらい背が高いこと
・メガネをかけていて金髪の方
この二つしかとっさには出てこないよう思えます。
自主的に他人が自分の事を説明しやすいように”記号”を加えているのだと田中さんはおっしゃっていて、これを林家ペー&パー子認知論と読んでいるそうです。
ピンク、カメラ、テンション高い夫婦
（簡単に説明しやすいような特徴を自ら作り出す行為だそうです。）
最初にこの話を聞いた時には理屈っぽいけど田中さんらしくて面白いなぁと思ったのですが、よくよく考えてみると理屈にかなった考え方な気もしてきました。
田中さんは他人は所詮見た目で最初は判断するからそこで自分からふるいにかかり、そこから自分を知ろうとしてくれる人には自分の本当の姿を知ってもらえるようにコミュニケーションを重ねていくのだそうです。
田中さんが「うめちゃんが気にしているどもりな事、あがり症な事、人付き合いが苦手な事も魔女としてはむしろプラスで沈黙は銀なのだから、しゃべる事が苦手なのであればいっそ安易に人と喋る事をやめて人の話をきちんと聞ける魔女になればそれは雄弁に語る人よりも尊敬できる人間になれると私は思うよ。それにまだ高校生なのだから発言にそこまで責任を感じなくても、まっとうな大人はトライエンドエラーを繰り返す若者だと理解してくれるし、発言に対し緊張を覚える必要はないよ。」と私にアドバイスをくれた事が目からウロコでした。
私にいろいろな話を聞かせてくれたので、田中さんと私は仲良くなれたのだなと思います。
今日は家電大好きお姉さんがお休みだったので私とまりちゃん、そしてギャル田中さんと門前仲町のミスタードーナッツに行きいろいろなお話をすることができました。
またヨガ教室で会いましょうと約束をして今日は清澄白河駅でさようならをしました。
田中さんは清澄白河駅から秋葉原駅方面のバスで帰ってきました。
うめこ
今日の一枚
LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.
今日の一曲
Jewel – Foolish Games – 7/25/1999 – Woodstock 99 East Stage (Official)
今日の一冊
