バイト先に少し早く着いたうめちゃん。
うめちゃんからの手紙 2017 No.206
コンバンワ。
昨年と比べて少しずつお給料も上がり、使わせていただける機械なども増え、より一層張り切ってアルバイトに行っています。
それでもどうしても溜息をついてしまいそうになる日も時々あります。
カフェという商売柄なのか、基本的にお客さんはコーヒーが飲みたくていらしてくださるのですが、休憩に来たり、マスターや私やはるちゃんと世間話がしたくていらしゃってくださるお客さんもいます。
いずれにせよ何かで疲れ癒しを求めるために足を運んでくださっている気もします。
とてもお勉強になる面白いお話のときはいいのですが、年の瀬だからなのか、疲れている人が多い今日この頃です。
精神的にだったり、肉体的な事だったり、長い間患っている病気からくるものであったり。
毎日聞いていて私も共感しすぎてしまい溜息をついてしまって苦しくなる日も多々あります。
特に辛いのが親しくしていただいている方たちが犯罪に巻き込まれた、会社でセクハラ／パワハラの被害にあった、家族に不幸があった、というジャンルの会話です。
客商売って、肉体的にもしんどいけれど人と接する以上、いろんな人の事を見聞きしてしまい疲れてしまう事が多々あります。
はじめおじさんも時々私を迎えにくるついでにコーヒーを飲みに来てくれます。
おじさんの知り合いのお店で、忘年会を３０名で予約していたお客さんが直前で連絡がつかなり来なかったトラブルの話を聞いたり、同じケースの話を居酒屋でアルバイトをしている常連の大学生のお兄さんさんからも聞いたりと、飲食業もかなり大変で本当に心が折れてしまいそうになるトラブルが多く悲しい気持ちになりました。
仲のいいキンちゃんが働いている古地図専門店でネットのOA用品店で注文した代引き商品が１ヶ月待っても届かず確認してみたところお店が実在しなかった話を先週聞きました。
幸いにも代引きで注文したのでお金の被害はなかったそうなのですが個人情報が盗まれてしまったそうです。
注文した商品自体は合計でも五千円に満たなかったそうなのですが、どうしてあまりに意味のない詐欺を働くのだろうか、約束を反故するのやろうかと、パソコン関係には明るいキンちゃんもすごく悔しそうに怒っていました。
オンラインショッピングのトラブルは身内のマリちゃんも今年の春に経験していて、マリちゃんの時はネブライザという機械のスペアを注文したらなぜか怪しい箱に入った美顔スチーマーのような写真とは違うインチキ商品が届いたトラブルがありました。
マリちゃんには大事な喘息用の医療機器です。
ないと困る人もいるもので詐欺をする人は本当に酷い人やとすごく腹が立ったのを覚えています。
信用や約束という概念がない人がいるのでしょうか、悲しい気持ちになります。
悪い人が悪い事をしなくても暮らしていける、真面目に毎日を送る人が悲しい思いをしなくてもいい、そんな日がせめて残り少ない年末までだけでも続いて欲しいと願うばかりです。
辛い話題を聞く事も多いのですが、時には明るくてほっこりするお話を聞かせていただける事もあります。
マスターがずっと目をかけてらした後輩の方のお仕事が無事に３年目を迎え、順調に黒字の状態を維持できるようになったと報告にいらしてくださいました。
定期的にコーヒーを飲みに来てよく私を褒めてくださる方です。
マスターは40代前半で大手商社をやめ商社時代のコネなどをいかしコーヒーなどの輸入のお仕事を始められた方です。
マスターが前職を退職する数年前に新入社員として入った後輩で、出身大学が同じという事などもあって、以来ずっと今日までマスターと一緒に遊んでいるのだそうです。（二人とも相撲部だったというのが一気に打ち解けられた理由だそうです。笑）
その方は５年程前からうつ病や線維筋痛症など様々な体の不調を患ってしまい、３０代で自宅は建てられたものの、40代になる前に墓まで立ってしまう寸前の状態だったとマスターもずっと気にかけていたようです。
紆余曲折あったそうですがなんとか体の調子も落ち着き、ずっと勤めていた商社時代の法務部とは別の自分が本当に好きだった事をお仕事にして少しずつ利益も出せるようになったのだそうです。
その方は「片親でずっと大学まで出してくれた母に申し訳ない気持ちで、必死にがんばらなければいけないという焦燥感が今までの原動力で、せっかく入った一流商社だから本当にやめたくても母に打ち明ける事ができず本当に辛かった。」とおっしゃっていました。
誰かの気持ちに応えなきゃいけない、頑張って恩返しをしなければいけないという気持ちはすごくよくわかります。
ぎゅっと胸が締め付けられました。
”信用”はとても大事で重たく恐い言葉ですね。
誰かから悪意で騙され信用を裏切られたらとても辛いし悲しいのだけれど、誰か自分を信用してもらったり期待し続けてもらうために頑張るのも、どちらも苦しいなと思ったのでした。
うめこ
今日の一曲
ウルフルズ – バンザイ～好きでよかった～
今日の一冊
時々お手紙のやり取りをする先生が教えてくれた本。