画伯の雑記 – 2023年12月2日 とりあえず寝るしかない。

画伯の雑記 – 2023年12月2日

祖父に会いにいくたびに車窓から綺麗な富士山が見えていた。

母から祖父がいよいよ危ないとFacetimeがありiPhoneの画面越しにもう少しでおじいさんの誕生日だから会いに行くもう少し待っていてねとお願いしました。
でも今まで十分祖父も頑張ってくれたのだと思います、Facetimeで祖父を見た数時間後に祖父が亡くなったと母から連絡がありました。
急いで荷物をまとめて祖父の病院に向かおうと思ったのですが、母から明日帰ってきたほうが良い、お通夜とお葬式に出られるように用意をしてくるように言われ思いとどまりました。
気が動転してはいけません。
それは亡くなった祖父も望んではいないでしょう。
亡くなった人だって自分のお通夜とお葬式に参加するための魂的な準備がいる事でしょう。
亡くなってからしばらくは体は暖かいのだそうで、そのしばらく暖かい間に魂が急いで色々と準備をしているのだと思っています。
この日は早く寝て明日朝3時に起きる事にしました。

祖父は京都生まれ滋賀県育ちだったので祖父とは京都、滋賀、カメラを買いに大阪と色々なところに連れて行ってもらった思い出があります。
初めて買ってもらったカメラも大阪のトキワカメラで祖父に買ってもらったものでした。
最後に病室で祖父と会った時、ライカを持っていこうか初めて買ってもらったカメラを持っていこうか本当に悩みました。
僕は初めて買ってもらったミノルタのカメラを持っていくことを決め、祖父の姿をたくさん撮影しました。
祖父は力を振り絞り頷いていました。

実は結構な頻度で今年は祖父に会うようにしていました。
かなりの回数新幹線に揺られ祖父に会いに行った、それが今年の思い出です。
そしてほぼ毎回車窓からは綺麗な富士山が見えていたのでした。
最後に祖父の病室を訪ねた時も祖父に車窓から見えたその日の朝撮れたての綺麗な富士山の写真を見せました。

お通夜とお葬式を終えて帰ってきてから落ち着いて思い出しながらこの日記を書いています。
どの瞬間だったかはっきりとは思い出せないのですが帰路のどこかでべんがらと書かれた文字を見かけました。
昔祖父に連れられ滋賀県に遊びに行った時にべんがら塗りの建物の説明を助手席で受けた事が鮮明に蘇ってきたのでした。
その時もカメラを持ち祖父とあーだこーだ言いながら楽しみました。

一つ悔やむべきは棺に入れるためにたくさん本を持って行って入れてあげたかったのに叶わなかった事です。
写真や画集がたくさんあるので、そういう時のための印刷物なのに活かせませんでした。
でも生前たくさんプレゼントしていたのできちんと楽しんでくれていた事だと思います。

画伯

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