うめちゃんからの手紙 2020 No.065 予想できないから心地よい。

うめちゃんからの手紙 2020 No.065

バリバリ働くアートディレクターのうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2020 No.065

今日はお仕事がとても大変で神経が疲れた1日でした。
現在私がディレクターを務めているカフェ内に併設されたギャラリースペースで健一さんの個展が開催されています。
とても嬉しい事に全ての作品を販売する事ができたのですが、過去の作品に比べて重量とサイズが大きくなったため販売後の作業が大変で今から準備に追われています。
元々鹿児島の作家さんの個展を入れる予定だったのですが色々な事情が重なり延期になり、半年前に個展をしたばかりの健一さんでしたが再度開催する事になったのです。
健一さんはジオラマ作品を主に製作されていて、中年男性のファンが多くコレクターさんも複数いらっしゃり、日頃より製作を応援してくださっています。
いつも個展に来てくださるコレクターさんの多くは店頭引き取りとご自身で作品の設置を希望される方が多いのですが、今回の個展で最も大きく設置が大変なものをご購入くださった方は若い女性の方で運搬及び設置を弊社にお任せしてくださるという事になっています。
健一さんも最初はサイズが大きく個人には売れないだろうと思っていたそうで、個展前日の設営作業も大変に難儀していました。

前回の個展では今回とは逆に小さい作品、机や本棚のような小さなスペースに飾って楽しめる作品が中心でした。
今回は前回展示を見送った大型の作品を中心に思い切って展示してみたのでした。
前回展示を見送ったのは単にサイズの問題だけではなく、まだ作品が未完成だったからというのもあります。
コレクターさんからは修行と呼ばれているシリーズで、年々製作期間とスケールが大きくなっている健一さんの力作なのですが、タイミングよくその1つが完成しており、せっかくのなので飾ろうという事になったのです。
健一さんはありそうでない街というのをテーマにいつも制作されています。
今回の個展の目玉は少年とでっぷりと太った猫が大人達がいなくなってしまった大戦争後の荒廃した世界を旅しながら色々な種を植えて旅をするというテーマのジオラマ作品群です。
私が面白いなと思ったのが、過去に制作されていた空飛ぶ町中華や駄菓子屋、ミルクホールが今回のジオラマ作品にも再登場していた事です。
この目玉作品、りんごの木箱大のサイズの箱4つを壁にかけ、4つで1つのインスタレーション作品として展示しています。
そうです、この作品が売れたので皆ソワソワしているのです。
壁が垂直である事、石膏ボードではダメな事、重量に耐えられる強度がある壁である事、e.t.c
色々な設置条件がありとても不安です。
購入してくださった女性コレクターさんから壁への設置が怪しい場合は金属のスタンドを用意して欲しいとのリクエストがありました。
壁の調査が終わり、安全に設置できないようであれば猿江にある工場に発注しなければいけません。

会社ではアート作品に限らずコーヒー豆から書籍、あらゆる商品の購入者層を把握して勉強するようにしているのですが、あまりデータはあてにならないなぁと最近感じています。
ある程度は参考にしてお客様により良い購入体験をしていただけるように活用しているのですが、私にも理由はわかりませんが20代くらいの女性が突然2万円分ほど大量にコーヒー豆を買っていく事がたまにあったり、今回のように減価償却資産の金額を超えるような大型で高価なアート作品を買っていってくださったりするので商売というのは面白いなぁと思いました。
口当たりが良く定番といった感じのエチオピアのイルガチョフのウオッシュドが中年男性によく売れているなぁと思っていたのですが、最近はブラジルサントスもよく出ていて、女性客が意外とフルシティローストやフレンチローストのような苦味がしっかりと出るコーヒーが買っていってくださったりと傾向が掴めなかったりもします。

刺激が多く、勉強になるので毎日楽しいです。

うめこ


今日の一枚

Minolta α-7 / Vision3 500T 1段増感

Minolta α-7 / Vision3 500T 1段増感


今日の一曲

Radiohead – Fake Plastic Trees

Radiohead – Fake Plastic Trees


今日の一冊

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