うめちゃんからの手紙 2019 No.027 まっちゃんの考察。

うめちゃんからの手紙 2019 No.027

愛用のライカを首から下げてお仕事に向かううめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2019 No.027

昨日は文ちゃんと歌子ちゃんを連れてたまえおばちゃんと隅田川のテラスまでお散歩に行ってきました。
1時間半にも満たない時間ですが、歌子ちゃんがシャボン玉が好きでここのところ毎週末通っています。
昨日はそんな歌子ちゃんの姿を写真に収めたいと思い頑張ってきました。
普段は文ちゃんと二郎が一緒に遊んでいることが多く、被写体として赤ちゃんと猫というは最強の組み合わせのためついつい文ちゃんばかり写真に撮ってしまっていました。
双子が大きくなった時に片方ばかり写真があったらもう片方がかわいそうなので、私は均等に二人の写真を撮るように心がけています。

さて今日はアルバイトの前にヨドバシカメラに寄り、土曜日のワークショップ参加者の写真をプリントしてきました。
まっちゃんと女子大生二人組の写真ですが、女子大生二人組はいつ店舗にいらっしゃるかわからないので早めにプリントしておいて職場のレジカウンターの下に二人がいらっしゃるまで保管しておこうと思ったからです。
まっちゃんは今日はお母様のお迎えの時間まで私のアルバイト先で本を読んで過ごす日だと分かっていたので写真を用意しておきました。

まっちゃんが常連の一太郎さんやマスターに最近のマイブームやあいみょんさんの作詞について語っていました。
まっちゃんはちょいと知られた天才詩人の五歳児で、時々手作りの詩集Zineを発行しています。
ついついまっちゃんのあいみょんさんの歌詞の解釈が気になり私も会話に加わってしまいました。
まっちゃんはあいみょんさんの生きていたんだなという曲の中にブラウン管という言葉が出てきたことが気にくわないのだと言っていました。
まっちゃんは一度もブラウン管に映る映像を見たことがない世代です、5歳ですから…
生きていたんだなという曲を語る上で、野狐禅の自殺志願者が線路に飛び込むスピードと対比してみると面白いかもしれないよと私は偉そうにまっちゃんに助言してしまいました。

まっちゃんが考えるには”ブラウン管”という言葉が出る前に”たちまちネットの餌食”というフレーズがあり、それはすなわちSNS全盛の昨今を象徴していて、それなのになぜブラウン管という中途半端にレトロなイメージがある単語を歌詞に出してしまったのかが納得がいかないのだそうです。
私もそこは少し違和感を感じました。
実は地上波デジタル放送が開始されたのは2003年12月で、アナログ電波が最後に停波になった東北三県でも2012年3月末日とまっちゃんが生まれるよりも前なのです。
ちなみにあいみょんさんは現在23歳なので8歳〜9歳の頃にはもうデジタル放送が始まっていたわけです。
そのことを踏まえると2017年に発表された歌の歌詞でブラウン管テレビに映る飛び降り自殺した人のニュースを見て泣いたというのは違和感があるのです。
もちろんブラウン管テレビが完全に絶滅したわけでもありませんが、ネットの餌食になったという言葉を歌詞に含めた以上はブラウン管テレビよりも他の単語を選んだ方が統一感が出る気がします。
まっちゃんから見た時にあいみょんさん世代でもブラウン管は無いやろというのが素直な感想です。
この違和感はどこから来ているのでしょうか、もしかしたらあいみょんさんの周りに作詞に力を貸している一回り以上年上の大人がいるのかもしれません。
どこか繊細で女性的な言葉選びがあるかと思えば、時々大人の男性の存在が時折顔を見せるのです。
ちぐはぐの二十代の不器用さ、拙さ、まとまりのなさがもう少し歌詞にあっても良いのかもしれません。
大手レコード会社から出てる以上完成度が必要なのかもしれませんが、せっかくの23歳女子の良さが大人の杓子定規で規格商品に調整されていっている危惧も少なからずあるのです。

すごく最近のことのように思える出来事や物でも、例えばスマートホンの雄iPhoneを例に挙げてみても日本で発売が開始されたのは2008年の8月で実はもう10年以上も前のことなのです。
SNSの代表格Twitterがサービスを開始したのは2006年とiPhone同様に10年以上も前なのです。
オバマ大統領が初当選したのも実は10年以上も前のことなのです…
自分で書いていても驚くのですが、新しく見えるものにも歴史があります。

あいみょんさんの歌詞と同様に時代を感じさせる単語が竹原ピストルさんが作詞した自殺志願者が線路に飛び込むスピードにも見られます。
ファミリーコンピューターの赤いコントローラー”という単語です。ファミリーコンピューターは1983年に発売された家庭用ゲーム機で、竹原ピストルさんが6歳ごろに発売になっています。
自殺志願者が線路に飛び込むスピードは2003年に発売されたシングルCDに入っていた曲で、奇しくもデジタル放送が始まったのと同じ年の7月で竹原ピストルさんが26歳ごろです。
ちなみに1983年は文化的にも政治的に大きな出来事が続いた年でした。
代表的出来事は大韓航空機撃墜事件では無いでしょうか、日本人28人を含む延べ269人の乗客全てが死亡した事件で、1987年まで軍事政権だった韓国は当時国連に加盟していませんでした。
(実はこの大韓航空機撃墜事件がきっかけとなりGPSが民間へ一般開放される流れがすすみ、先述したiPhoneのような携帯電話機でも自分の現在地を地図上に写しルートを探すことができるようになったのです。)

あいみょんさんが小学生だった頃に始まったデジタル放送、それを境に消えていくブラウン管テレビ。
竹原ピストルさんが小学生だった頃に発売になったファミリーコンピューター。
お二人が子供の頃に世間を賑わせたアイテムを歌詞に出していることが面白いなと思いました。

彼らがなぜちぐはぐなその単語を歌詞に含ませたのかを考えてみると面白いかもしれません。
こそばゆさが残りますが、どちらも良い曲です。

うめこ


今日の一枚

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

あいみょん – 生きていたんだよな 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

あいみょん – 生きていたんだよな 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】


今日の一冊

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